実は昨日我が家のモノラルパワーアンプの出力管が1本寿命を迎えてしまったんですがね、、
超稀少な球でギリギリ4本しか所有していなかったんですよ。。なので出力管4本とも総入換。
そしたら案の定というか、元の超稀少出力管が聴かせていたあの究極とも言うべき美音と艶、
そして透明感が喪われてしまいました。加えて音場の前後もかなり狭くなってしまった。。
勿論、新たに挿した4本は何年も眠っていたわけなのである程度鳴らし込まなければ本領は発揮しない。これでも一応マニアの端くれなんでそれくらいはわかる。しかし私は待てない。いやそもそもおじさん待ちたくない。マニアだから。というわけで、
なんと今回非常に運の良いことに、一昨日からインシュレーターをお借りしていたので、インシュレーターでここらへんどうにかならないか? をやってみましょ。ええそうです。江戸の敵を長崎で討つじゃないけど、超稀少管の敵をインシュレーターで討つ、そんなマニアこそ真のマニアだ、と私は常々思っていますよ。
今回運良くお借りしていたのはアメリカの名門 Stillpoints の新製品 Ultra II (ウルトラ・ツー)と 同 Ultra SS V2、そしてそれらのオプションのベース。んで普通ならお安い方の Ultra SS V2 から始めるところですけども、今回はこういう急を要する事情なのでパターン完全無視で
この高い方の Ultra II から、しかも最初からオプションのベースを装着させて聴いてしまおうじゃありませんか(段取りなんて知ったことかっ 俺は急いでいるんダッ!)。
で、今回は元々の脚がちゃんとしている上にシャシーもがっしりしている Marantz:SA-10 ではなく、私が古い録音のCDを聴くときに愛用している 英ソネッティアの Bronte SACD で試します。こちらの方がインシュレーターの比較試聴には向いているので(効果の違いがモロに出る)。
ではまず写真のように最初にインシュレーター無しというか、元々付いている四隅の脚でボードに直置きして、
このCDを聴いてみます。
次、ベースを装着した Ultra II を Bronte のシャシー底面に設置。
・・実は四隅の脚で直置きした音、悪くなかったんですよね。下の ERAUDIO のボードの響きが上手く乗っているのか特にピアノの音色がかなり香しくふくよかで、これはこれで全然聴けるなと笑。
しかし Ultra II + Base で3点支持した音は再生開始直後から直置きと全然違った(^^;)。さっきは音場が前後方向だけでなく上下方向と左右の両スピーカーの外側にも展開しきっていなかったことがいきなり判る。そして
バリトンによるドイツ語の発音が断然明瞭になったので、大学時代 1ヶ月間だけウィーンに滞在してすっかりウィーン訛りのドイツ語の聴き取りにくさに良くも悪くも慣れてしまっていたのがその後ミュンヘンに行ったら発音がやたら明瞭で聴き取りやすくて驚いたとき、の記憶が唐突に蘇ってしまう。
しかもこのアルバムは最近のライブ録音なので、録音会場の空気情報も沢山入っているんですが、Ultra II + Base で設置するとウィグモアホールにバリトンとピアノの音が反響・減衰してゆく様がなんとも克明。最初に聴いたときは空気情報に意識自体が行かなかったんだけど笑。
うむ・・これなら超稀少管で聴けていたあの透明感と音場の前後感は完全復活したと言っていい。たださすがにあの究極の美音と艶は、長崎ならぬインシュレーターでは敵討ちできないか笑。
・・もう1枚聴きましょかね。
美音、艶、そしてデリカシーのチェックに私がよく使っているこのCDを聴いてみましょう。最初にまた Bronte の四隅の脚で支持した状態で聴いた後、Ultra II + Base 3点支持にして聴いてみます。
Ultra II は金属金属した外見とは全く裏腹に、耳障りな音は皆無。そして弦楽器群の重なり合いはえも言われない美しさ。しかし特筆すべきは 各管楽器の音色を無しのときより数十倍精緻に描き分けるのに、各楽音の音像のエッジはむしろ柔らかくなっていること。・・これは素晴らしい。
これなら、、いや実際のところ超稀少管で聴いていたあの美音と艶が戻ったわけでは無いんだけど(そりゃそうだ笑)、それとはまた違う美音と艶がこのCDから聴けるようになっているので、
Ultra II + Base 、導入しない理由が無いな。。けどいい値段だよな(^^;)・・ そういや以前 SA-10用に借りた Ultra SS V2 は Bronte ではまだ試してなかったや。というわけで、次回は Ultra SS V2 + Base で3点支持した Bronte SACD で同じ曲を聴いてみましょ。ファイザー・ファイザー・モデルナのあの副反応を克服した今、怖いものは高いアクセサリーだけだぜ・・・ S田でした。