ケーブルの導体として最もポピュラーなのってやはり銅ですよね。
勿論導体だけでケーブルの音調が決まるわけではなく、その配置と構造、絶縁、介在、被覆、プラグ等々でいくらでも音なんて変わるんですが、基本的に銅導体の音は合金導体等のそれと比べるとニュートラルで聴き疲れしない印象がある。
勿論導電率の基準とされる(銅の導電率=100)ほどにそもそも銅の導電率は優れているからこそなわけですが、そのニュートラルな音調もまた、ケーブルの導体として多用される理由と言えるでしょう。
しかし御存知の通り、導電率で銅を上回る金属がある。銀です。銅の導電率 100 に対して銀の導電率は 106.4 。なので昔からオーディオファイルは銀を自分のシステムに上手く使えないかと試行錯誤を繰り返してきた。・・って錯誤?そう、意外と銀は癖が強くて使いこなしが難しかった。
なので今でも苦手意識を持っているオーディオファイルはいらっしゃるでしょう。
ちなみに私はというと、アンプをヴィンテージに換えたことに伴って手放してしまいましたが(後悔しかない)、今はなき米 NVS の Silver 1 Ultimate XLR を愛用していたこともあり、いわゆる高域キンキンな銀臭さなんて実はケーブルメーカーがまともにチューニングできてなかっただけの話で、
正しくチューニングしさえすれば、銀の導電率の高さは音楽的情報量の増加しか生まないことを、身をもって知ってしまっていたりします。
でですね・・私は先日 米 DH Labs の ラインケーブル、Pro Studio Progressive RCAを買い、エイジングが完了して毎日幸せな音楽生活を送っているんですが、同じ DH Labs からフラッグシップの Revelation Pure が出たんです。困ったことに導体に銀をふんだんに使っているという Revelation Pure・・。
Pro Studio、あるいは Pro Studio Progressive をお使いの方なら御存知でしょうが、DH Labs はスタジオに大量にケーブルを納品してきたからこそなんでしょうね、その優れた技術そして素材を音楽的バランスを崩す方向には決して使わない。ニュートラルなバランスを保ちつつ、技術と素材はただ絶対的なハイファイ性能を高めるためにだけ使ってくれる有難いケーブルブランドなので、
銀をふんだんに使った Revelation Pure が高域キンキンとかするわけがない笑。ユーザーとしてその安心感は絶大なものがあります。
とは言っても具体的にどういう音なのかは聴いてみなければわからないので、比較試聴しましょう。比較対象は私の愛用する Pro Studio Progressive です。上述の通りエイジングが完了しているどころか毎日音楽信号を流しているので、たまにしか鳴らされないであろうデモ機の Revelation Pure よりもバランスの点でかなり有利だったりします。
まずこのように Pro Studio Progressive を繋いで一通り聴いてから、
Revelation Pure に繋ぎ換えて同じ曲を聴いてみます。
音像のエネルギー感が・・凄過ぎる。電子楽器音がほとんどなのでこれはおかしな表現になりますが、「目の前で楽器を演奏しているみたい」(^^;)。
ラッビアは色んな楽器の音が立体的に展開するんですが、やはり各楽音のエネルギー感・実在感が激増したうえで前後左右上下に展開する様にはまさに圧倒される。。
冒頭の聴衆の歓声が、Pro Studio Progressive だと途切れ途切れだったんじゃないかと思えてしまうほどに、背景に力強く聴こえ続ける。。まるでパワーアンプの出力とダンピングファクターが上がったみたい。。
オーディオでホログラフィックってよく使いますけど、このヴォーカルのホログラフィックぶり?は霞のような薄いものじゃなくて、怖いくらい濃い。凄味があるリアリティ。
・・ここは仕切り直して次回クラシックを聴きましょう。いわゆるオーディオ試聴用の曲ばかり聴いてオーディオ的にばかり圧倒されてしまったので(^^;)、今度はバランスにも着眼して改めて聴いてみます。S田でした。